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投稿情報 内容
NO.688428
アムロさん(女性/37歳)
2011/05/10 00:52:28

彼の過去は、自由奔放な恋愛をしてきたみたい。
彼女の傍へ転職を考えたり、同棲もしてきたらしい。
しかし、私には異常なくらい嫉妬の塊だった。

彼は、職場で私の後ろ姿を眺めることが楽しみだったらしいけど、他の男性に笑顔を向ける事さえ嫉妬が凄かった。
肌を出さない洋服の規制、行動範囲の規制も言われた。
今思えば、嫉妬されることも女としては嬉しい事だったのかもね。
当時は束縛が過ぎて大変だったけど。

『嫉妬で頭がおかしくなりそうだ。いつか君の首を絞めてしまいそうで怖い』
彼の退職理由の一つだった。

退職一年前くらいから、私が彼に求める部分があり病んでた。
離れようと決意し冷たくした。
決意した時から退職日までの約2ヶ月、頻繁に会議室や応接に呼ばれた。
『僕は君の優しさに甘え過ぎてた…。僕が嫌い…?
僕が今しなければならないことは、君の心を取り戻すこと』と言った。

その表情が…親に捨てられた子供のような、泪を必死で堪えてる哀しげな潤んだあの瞳が、心の叫びが痛々しく聞こえる瞳を今でも思い出す。

総ては私の我が儘。別れる時に
『僕は君に随分辛い思いをさせてしまった。僕は君を愛し過ぎて辛辣なことをしてきた。本当に申し訳なかったと思ってる。これからは君は自由だ。僕がとやかく言える立場ではなくなる』
そして『君が僕を嫌いでも、僕が君を愛し続けることは自由だ』と言った。

*************

彼の会話は機知に富んでいた。
観察眼は鋭く優しく頼りがいのあり、ここと思ったら猪突猛進タイプだった。
情に厚く脆く、相手のために泪も流す強い情念の持ち主でもあった。
自分の価値観の中で生きていて、興味の無い人や物には時間は割かないハッキリした人だった。

彼は、誤魔化し、嘘、曲がったことが許せなく、そのため予防線を張っていたように思う。
誠実で堅実で…でも純粋過ぎるがゆえ退職を決意したと思う。

『僕が利口な人間で、意に反することにも上手く立ち回れる性格だったら…今頃笑いが止まらないくらい収入があったと思う。だけど、正しく無い事に従って働き続けることは僕には耐えられない』
これも退職理由の一つだった。

仕事でいつも思ってた。
彼の考えや意見は常に正しく、周りの仲間は『裏が無くて分かり易い』と言ってが…私は正直過ぎて不器用で勿体無いと思ってた。

*************

『僕は君を愛し過ぎてしまった。顔も心も…etc(前レスの内容)』
こんなに女性を深く愛することは二度とないとか、君は僕の集大成とか…こんなな言葉も本音だと思う。

昔々観たマディソン郡の橋という映画を思い出した。(4日間の設定は極端と思うが)
クリントにメリルが着いて行けなかったシーンと、その後メリルの亭主子供が出先から自宅に戻った瞬間の気持が今になって解った気持だった。

*************

私は自画自賛的なナルシストは受付れない。
だから、彼の威張り気のない部分が好きだった。

彼はいつも私の話しの聞役だった。
話し声がBGMのようで心地よいとよく言ってた。
彼とは、二人でジャズを聴きいたり映画に出掛けた。
まったりゆっくり静かに時間が流れたあの時を思い出す。
僕の最後の時には君と居たい…という言葉を思い出す。

彼との別れ間際に渡した、これまでの思いをしたためた詩については、
『僕のことをこんなに思ってくれてたこと…初めて知った。こんな男の何処がいいのか解らないが、君にこんなに愛されてた僕は世界一の幸せ者だ』とメールが届いた。
彼の、私を責めない鷹揚さには負けた。

彼が悪いんじゃない。
一直線に愛されてることを感じてたけど、私の我が儘でそうなっただけ。
不器用な私には…文字に思いを込めておくことしか出来なかった。

私は対人関係に慎重なとこがあり、相手が男性だとそれに拍車がかかってしまう。
好意を寄せた相手には、これに恥ずかしい、照れくさいが加わり、なかなか手の内を見せない。

普段は泰然自若の落ち着いた風格を漂わせている?らしい(笑)が、恋となると思いを伝えることが不器用な側面があり、性格上クールな愛情表現をしてしまう。

そこがいけないんだ…

*************

彼は自分が選択したものには潔く従う人だったので、決定=実行で退職したのは解る。
社内事情はともあれ、私に対しては、どんなに避けてもずっと変わらぬ眼差しで、一貫して同じこと言ってた。

動けば傷が深くなる、成就が無理と感じたら傷付く前に身を引く…こういう私には絶対に出来ない。

彼と離れて約一年半になる。
昨年まで、腐れ縁てやつだと思って来たけど、今は心の良縁だと思ってる。
私にとっては忘れられない、そして影響のある人なんだ。

ダンナに向かって『私に愛情があるなら一生隠し通せ』と言ったけど、自分がその立場になるとは予想もしなかった。

続)

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