| ・旅人さん(男性/18歳) 2015/08/05 16:40:20
 
 | ○異性というのは言い換えれば得体のしれない何かだ。 私は性にさえ触れなければ安全な事を知っている。
 最近異性に恐怖をする機会が増えた。
 動揺もエスカレートして来ている。
 近く女を毛嫌いする感覚は”あの女”の存在が大きいだろう。
 
 ○初めて保育園に入った時、一番背の大きな子を好きになった。
 仲良くなりたいと考え話しかけた。
 記憶は定かではないがよく話す子供だったような気がする。
 それ故に喋るたびに唾が飛んでいたようで、その子に嫌われた。
 胸が痛かったけど、これといって気にしなかった。
 こちらに全て非があるから。
 
 中学の二年生のクラスは居心地が良かった。
 内気な僕でも話しやすい人のコミュニティーがあった。
 私はこれでもかと自分を解放した。
 二人の女の子が私を好きになってくれた。
 私は好きではなかったので何も考えなかった。
 学年がひとつ上がる居心地は中学校時代最悪の気分だった。
 でも、思い詰めるほどでもなかった。
 何もしなければ害は無い、何もしなければ。
 クラスの女の子と席が隣になった。
 好きになった。
 激しい恋だった。
 どこが好きだったのかと問われればよく分からなくなくなってしまったのだが、
 とにかく惹かれていた。
 自分が誰かを好きな事とその誰かに好かれる事は別と考える私。
 付き合ってくれとかなんとか訳のわからん論理は持たず、純粋に好きで純粋にちょっかいをかけていた。
 私は内気を偽り、うつけものを演じていたのだがそれが鼻についたようで当然よく思われなかった。半ば忌み嫌われていた。
 でも、やっぱり別にこれといって落ち込む事はなかった。
 好きな事と自分の手にしたい欲求は別だ。
 罪悪感は吐きだせずにいた。
 気になる女の子はみんな見ていた。
 好きだったから目が離せない性分だ。
 じっと見つめていると幸せだった。
 これは異性からすると、いやひょっとすると同性でも気持ち悪いとさえ感じるのかもしれないが私は見つめ想っているだけで過ごした。
 何もしてない、ただ見ているだけという倫理観で度が過ぎるほど想っていた。
 
 高校に入学する。女生徒の少ない学校だった。
 でも、私のクラスは二番目に女生徒の多い教室だったので違和感はなかった。
 両手で数えるほどしかいない女生徒の内のひとりが名簿順で一つ前の席だった。
 班を組むなどした時は近場の生徒で集まるのでよく同じ行動を取る事は必然だった。
 別に好きじゃなかった。好みではなかった。
 それにとっつき難かった。
 感情が表に出ない人だったので、何を考えているかわからなかった。
 壁を感じる人間であったが社交性があったので信頼していた。
 一年経つと好きになっていた。好きだった。彼女の人間が好きだった。
 表に出ない個性を知った時もっと知りたいと思うようになった。
 だけど、好きだからといって何するでもない。
 好きだからなんなのだろう?
 惹かれあってくっついちゃうなんてわざわざどうな気持ちなんだろう?
 と疑問に思う半分、交わる事について興味は持っていた。
 
 私がこの先春と呼ぶのはこの時期を指すだろうと考え記した。
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